韓国ドラマ好きなら一度は耳にしたことがある「ミスター・サンシャイン」。
美しい映像、圧倒的スケール、そしてキム・テリさんの存在感に魅了された人も多いでしょう。
でも華麗な演出の裏で、実は「日本表現で歴史歪曲だ」「一部の史実とのズレがある!」と韓国内外で大炎上していたのをご存じですか?
「歴史をロマンチックに描きすぎ!」という声に、「いやいや、あの時代のリアルを映している」と反論するファン。
SNS上では愛と憎しみ入り混じる大論争が巻き起こりました。
じゃあ、実際のところどうだったのでしょうか?
一緒に見ていきましょう。
韓国で起きた歴史歪曲キャンペーンの衝撃

2018年7月、韓国の大統領府の国民請願掲示板に投稿された一つのコメントが火種でした。
内容は「『ミスター・サンシャイン』のような歴史を歪曲する作品に厳しい措置を」という訴え。
投稿者は「このドラマでは、被害国である韓国と加害国の日本の立場が逆転して描かれている」と主張しました。
確かに物語の中で日本人だけではなく朝鮮人も悪く描かれています。
一見すると、「自国を貶めているように見える」という指摘もあったそうです。

さらにユ・ヨンソクさん演じるドンメの所属組織が黒龍会とされていたことで、「親日美化」と捉えられたのです。
制作陣は即座に謝罪し、組織名を「戊申会」という架空の団体に変更。
ところが、炎上は簡単に静まりませんでした。
「設定を変えても、根っこの描写が同じでは?」という声が続き、議論は拡大したのです。
日本関連描写と視聴者の複雑な感情
登場する日本人たちは表情も言葉も極悪モード全開。
まるで「ザ・悪役」って感じ。
当時のTwitterにはこんな感想が並びました。
「日本人役の俳優が全員、悪そうな顔してる」
「日本語が不自然すぎて集中できない!」
うん、確かに! イントネーションの違和感、気になっちゃいますよね。
でも一方で、「自国の暗い歴史をまっすぐに描いている」と評価する声もありました。
「史実と少し違っても、当時の外交や民族の葛藤を知れてよかった」「映像も音楽も芸術作品レベル」と感動するファンも多数。
実際、『ミスター・サンシャイン』はアメリカNetflixでも高評価を得ています(出典:Netflix公式ランキング 2018年8月)。
「史実」との「ズレ」はどこに?

日本と清(中国)、そして俄然存在感を増したロシアが、朝鮮半島をめぐって熾烈な駆け引きをしていた頃です。
でも一部の描写では、実際には存在していなかった人物設定や、時期がずれた事件の融合などの脚色が見られます。
一部の歴史学者も「女性独立運動家の存在は貴重だが、実際の時代感とは差がある」と指摘しています(出典:朝鮮日報 2018年7月)。
とはいえ、それをフィクションの範囲とするか、歴史認識の歪みとするか、そこが難しいところですよね。
視聴者の評価は真っ二つ!

SNSやレビューを見ていると、韓国国内でも評価は真っ二つに割れています。
「史実には違いがあっても、ドラマとして最高!」
「日本をナチュラルに悪く描きすぎて不快」
「昔の朝鮮を恥じる前に、学ぶきっかけになる」
視聴者の多くは、感情的な対立より過去と向き合う作品として受け取っているようです。
それにしても、イ・ビョンホンさん演じるユジンの帰国した米軍士官という存在。
この設定が、まさに「祖国を愛しながらも距離を取る韓国人像」を象徴している気がしました。
よくある質問(FAQ)
Q1. 黒龍会って実際どんな組織?
A. 1901年に東京で設立された政治団体で、朝鮮半島の併合や大陸進出を支援した実在の組織です(参考:日本外交史資料館資料)。
Q2. 本ドラマは反日作品なの?
A. 一部の視聴者にはそう映ったかもしれませんが、制作側は「どの国が悪いかではなく、時代に翻弄された人々を描く」と語っています(出典:tvN公式インタビュー 2018年7月)。
Q3. 撮影地やセットは本物?
A. 主な撮影は全羅南道順天のオープンセットで、約4万平方メートルのスケール。
当時の漢城(ソウル)を忠実に再現しており、撮影後は観光地としても人気になりました。
まとめ
「ミスター・サンシャイン」は確かに、史実とのズレや日本描写の極端さで議論を呼びました。
でも、ドラマ全体を通して見えてくるのは国に翻弄されながらも愛と信念を貫いた人々の姿です。
イ・ビョンホンさんとキム・テリさんのケミに涙した人、ユ・ヨンソクさんの悲哀に胸を打たれた人。
みんな、時代を超えて同じ問いに向き合っています。
「自分の信じる祖国とは何か」。
歴史ドラマには不快も誤解もつきもの。
それでも、過去に目を背けず語り続けようとする姿勢には、拍手を送りたいですね。
批判されても、名作は語り継がれる。
そういう重みを、この作品で改めて感じました。



