ねえ、イ・ギョンヨンさん(이경영)って、韓国ドラマを見ている人なら「またこの人が悪役か!」ってニヤリとしちゃう、あの”ラスボス顔”の俳優さんですよね。
『ヴィンチェンツォ』に出ていたか気になる方もいると思いますが、彼は『ヴィンチェンツォ』には出演していません。
韓国では「韓国映画・ドラマはイ・ギョンヨンが出演しているものとしていないものの2つに分けられる」なんて言われるほど、圧倒的な存在感と出演数を誇っている名優なんです。
今回は、元々医師を目指していたという意外な経歴を持つイ・ギョンヨンさんの魅力に迫りながら、彼の名演が光る「大物悪役」と「重要なキーパーソン」に焦点を当てたおすすめドラマ・映画5選を一緒に見ていきましょう。
彼の演技の深さを知れば、きっと「また悪役か」ではなく、「さすがイ・ギョンヨンさん!」って思わず拍手したくなりますよ。
イ・ギョンヨンの圧倒的な存在感!プロフィールとキャリア

まずは、韓国のエンタメ界に欠かせない大御所俳優、イ・ギョンヨンさんの基本情報と、彼のキャリアの凄さを見てみましょう。
俳優イ・ギョンヨンの基本データ
| 名 前 | イ・ギョンヨン(이경영) |
| 生年月日 | 1960年12月12日生まれ(記事執筆時64歳) |
| 身 長 | 173㎝ |
| 学 歴 | 漢陽大学 演劇映画科卒業 |
| デ ビュー | 1987年 映画『燕山日記』 |
実は彼、若い頃は医者になることを夢見ていたそうなんです。
でも、映画が好きで演技を深く学びたいという気持ちから、大学の演劇科に進学したんですね。
その決断のおかげで、私たちはこんなにも素晴らしい俳優さんの演技に出会えていると思うと、なんだか感慨深いです。
過去の事件と長い沈黙を乗り越えて
華々しいキャリアの裏で、イ・ギョンヨンさんには辛い過去もありました。
青少年性保護に関する法律違反の疑いで拘束起訴された映画俳優兼監督のイ・ギョンヨン(41)被告人に160時間の社会奉仕命令とともに懲役10月に執行猶予2年が宣告された。
引用:namu.wiki/
しかし、その沈黙を破り、2011年頃から少しずつ活動を再開します。
味のある演技と、一度見たら忘れられない存在感が再び話題となり、今や「イ・ギョンヨンなくしてドラマなし」と言われるほど、韓国エンタメ界には欠かせない俳優として復活を遂げました。
この不屈の精神と、演技への真摯な姿勢が、彼を再びトップクラスへと押し上げたのだと感じます。
誰もが認める韓国芸能界の「伝説」イ・ギョンヨンとは?
つべコンテンツ「경영자들」で、芸人3人たちのおふざけが過ぎて「(出演を)後悔してる」とまじギレのギョン様。“ある番組でソン・ソックが俺の真似を真面目にしてくれた、ああ、似てない。だけどうれしかった。幸せを感じた。お前たちには出せない味があるんだ。” pic.twitter.com/1eKhBAPI6X
— ぷりぷりbarny (@pripribarny) June 1, 2023
イ・ギョンヨンさんのキャリアは、本当に「レジェンド」と呼ぶにふさわしいんです。
彼の俳優としての深みは、その異例のキャリアパスと、演技に対する情熱から生まれています。
韓国で囁かれる「二分法」:彼が出ているか、出ていないか
これ、単なる冗談ではなく、彼がいかに韓国の映画・ドラマ界に不可欠な存在であるかを物語っています。
1987年のデビューから、彼は膨大な数の作品に出演してきました。
悪役で彼が話題になるのは、彼が演じる「権力者」や「裏社会の大物」が、その作品の骨格や深みを決める「ラスボス」クラスだからなんです。
彼の演技が入るだけで、物語の緊張感とリアリティがグッと高まる。
だからこそ、多くの制作者が彼をキャスティングしたがるんですよね。
10年間会えなかった息子への思いと自粛期間
彼のキャリアを語る上で避けて通れないのが、2002年の事件後の長い自粛期間です。
一時は俳優としての仕事をすべて失い、どん底を経験されました。
この自粛期間中、彼は元妻との間に生まれた息子さんに10年間も会えなかった時期があったそうです。(出典:wowKorea 他)
人気トークショーに17年ぶりに出演された際にも、息子さんへの恋しさを語っていらっしゃいました。
この人生の大きな挫折と、家族への深い思いを乗り越えて、彼は2011年頃から再起を果たしました。
この人生の深みが、彼の現在の演技、特に権力者の裏に隠された孤独や冷酷さに、他の俳優には出せない説得力とリアリティを与えているのだと、私は感じています。
単なる悪役ではなく、生身の人間としての業を演じているからこそ、私たちは引き込まれてしまうのかもしれません。
悪役を超越!イ・ギョンヨンのおすすめドラマ5選
ここでは、彼の「悪役」の多様性と、その演技がなぜ視聴者を混乱させるほど強烈なのかを掘り下げていきましょう。
① 『アゲイン・マイ・ライフ~巨悪に挑む検事~』(2022年)

権力者が持つ「傲慢な余裕」を表現
この作品のチョ・テソプは、国を牛耳る絶対的な権力者です。
イ・ギョンヨンさんがこの役で際立っているのは、「悪事を働くことへのためらい」が全くない、傲慢な余裕です。
主人公のイ・ジュンギさん演じる検事との対決シーンでは、彼は椅子に深く腰掛け、口角をわずかに上げながら相手を睥睨するだけで、その場の空気を支配してしまいます。
まるで「お前が何をしても、私の足元にも及ばない」と言っているかのような、静かなる威圧感。熱血な主人公の感情的な動きに対し、彼は常に一歩引いた場所で冷静に、楽しむように見ているんです。
この「余裕のある悪」の表現が、彼の真骨頂です。
② 『秘密の森~深い闇の向こうに~』(2017年)
[秘密の森シーズン1]視聴完。
— Kay Akmm💙💛 (@hyesunglove) June 8, 2022
なかなか硬派なドラマで面白かった。ペドゥナのドラマって初めてかも。
他の出演作も見てみたいな😊
そしてイギョンヨン氏、財閥の会長や社長とかお金持ちの役と言ったらこの人。
貧しい役って見たことないね pic.twitter.com/3dVQZqtFLb
権力の源泉、財閥の「帝王」
イ・ギョンヨンさんが演じたイ・ユンボム会長は、財閥のトップとして、検察内部の不正にも関わる「権力の源泉」です。
彼は、ヤクザのように荒々しい暴力は使いません。
代わりに使うのは、金とコネクションです。
主人公の検事ファン・シモクの上司の妻の父親という、一見遠いようで一番近い場所にいる絶対的な存在として描かれます。
彼が数少ない登場シーンで発するセリフは、どれも核心を突く短い言葉ばかり。
多くを語らずとも、彼の後ろには巨大な権力構造が見える。
この「寡黙な悪」の説得力は、他の誰にも真似できないイ・ギョンヨンさんだけの特権だと感じます。
③ 『ミセン-未生-』(2014年)
俳優のイギョンヨンさん
— ∝∝どぅらま∝∝ (@Ipray4U_K) October 3, 2020
左:ミセン
右:秘密の森
歴代最高レベルの難易度🔥🔥🔥#놀라운토요일 pic.twitter.com/bdg2wuNOQZ
厳しさと配慮の狭間、「硬派な上司」
悪役ではない彼の演技を見るなら、このチェ・ヨンフ専務役は外せません。
彼は、グレを会社に呼んだ張本人ですが、だからといって彼を甘やかしません。
むしろ、韓国社会の厳しさを容赦なく突きつけます。
でも、冷徹さの中にも、どこか人間的な配慮が感じられるのが、この役の魅力です。
彼の言葉には、会社という戦場で長年生き抜いてきた者だけが持つ、重みと孤独が滲み出ているんです。
「学歴が全てじゃない」という理想と、「現実の壁」を知る彼の葛藤が、視聴者に深く響きました。
④ 『インサイダーズ/内部者たち』(2015年)
#チョスンウ 出演作に少なくとも3つは出ているイギョンヨンさん。①#秘密の森 ハンジョ会長のイ・ユンボム②映画 #インサイダーズ のチャン・ピル議員③映画「暗殺」でターゲットになる大物 日本語を話す役はどれでしょう。答えは①と③
— 슈에리雪梨 (@xxuueellii) November 5, 2020
映画「暗殺」面白かったです。アマプラにあります pic.twitter.com/o11klipTht
醜悪な権力者の「生々しい狂気」
この映画でのチャン・ピル議員役は、彼の悪役キャリアの中でも最も衝撃的だったかもしれません。
政治家でありながら、財閥の接待の場で、文字通り恥知らずな「あるゲーム」に興じる彼の姿は、観客に「韓国社会の闇」の生々しい狂気を突きつけました。
このシーンは、R指定作品の観客動員記録を塗り替えるほど、大きな話題となりました。(出典:各種映画情報より)
権力者が倫理観を完全に失い、ただ欲望のままに生きる醜さを、これほどまでにリアルに、かつ嫌悪感をもって演じきれるのは、イ・ギョンヨンさんしかいません。
⑤ 『ミスティー~愛の真実~』(2018年)

悲劇のキーパーソン、財団理事長
キム・ナムジュさん主演の、愛と欲望が渦巻くミステリーサスペンスです。
イ・ギョンヨンさんは、殺人事件の容疑者となった主人公の弁護人である夫が勤める法務法人代表チャン・ギュソクを演じました。
彼は、一見公正で冷静な法律家に見えますが、物語が進むにつれて彼自身の隠された過去や欲望が明らかになり、悲劇的な展開のキーパーソンとなります。
キャリアを積んだ大人の男の、嫉妬や欲望といった複雑な感情を、渋い低音ボイスと重厚な雰囲気で演じきり、ドラマ全体の深みを増していました。
よくある質問(FAQ)
Q1. イ・ギョンヨンは「善人役」や「ロマンス」も演じていた時代があるって本当ですか?
A. はい、本当です!若い頃のイ・ギョンヨンさんは、今とはイメージがかなり違ったんです。
特に1990年代には、映画『雨の降る日の水彩画』(1989年)で新人賞を獲得し、甘いマスクとシャープなスタイルでメロドラマの主役も務めていました。(出典:韓流ナビゲーター田代親世の韓流記事資料室 他)2000年のドラマ『火花』では、チャ・インピョさんとイ・ヨンエさんを巡って対立する役を演じるなど、渋いイケオジとして人気を博していました。現在の「悪の帝王」イメージが強烈すぎて信じられないかもしれませんが、彼にはメロドラマの主役を張っていた時代もあるんですよ。
Q2. 彼の出演作が多すぎて混乱しますが、なぜ彼ばかりがキャスティングされるのですか?
A. 大きな理由として、「彼にしかできないポジション」があるからです。
韓国ドラマにおいて、財閥の会長や腐敗した政治家といった物語を動かす「地位の高い悪役」は非常に重要な役割を果たしますが、この役を引き受けられる実力とオーラ、そして知名度を兼ね備えた俳優が、イ・ギョンヨンさん以外に極めて少ないのが現状です。制作側は、配役の時点で観客に「大物悪役だ」と瞬時に納得させる説得力を求めており、そのニーズに完璧に応えられるのが彼なんです。
Q3 イ・ギョンヨンが同時期にドラマに出すぎて「混乱する」という声は本当ですか?
A. はい、本当です。2022年だけでも『ドクター弁護士』『なぜオ・スジェなのか』『アダマス』など、立て続けに複数のドラマに出演されました。
しかも、そのほとんどが財閥会長や政治家といった「地位の高い悪役」だったため、「今、どのドラマを見ているのか分からなくなる!」と視聴者から冗談交じりの混乱の声が聞かれました。(出典:スポーツソウルなど)。
Q4. 彼は『ヴィンチェンツォ』に出演していましたか?
A. 『ヴィンチェンツォ』には、イ・ギョンヨンさんは出演していません。
おそらく、このドラマで彼のような巨大な権力を持つ悪役を演じていたチョ・ハンチョルさん(ハン・スンヒョク役)や、キム・ヨジンさん(チェ・ミョンヒ役)などと、彼の強烈な悪役イメージが重なって記憶違いをされているのかもしれません。彼が出演していないにもかかわらず、名前が挙がるほど、イ・ギョンヨンさんの「憎たらしい悪役」のイメージが視聴者に強く焼き付いているということですね。
まとめ
今回は、韓国ドラマ界の「悪の帝王」ことイ・ギョンヨンさんの魅力と、おすすめの出演作品をご紹介しました。
過去の困難を乗り越え、圧倒的な演技力でカムバックを果たした彼のキャリアは、それ自体が一つの壮大なドラマです。
冷徹な専務から腐敗した政治家まで、どんな役でも物語の緊張感を高め、深みを与える彼の存在は、韓国ドラマには不可欠だと断言できます。
ぜひ、この記事を参考に、彼の出演作品を振り返ってみてください。
きっと、彼の演技に引き込まれ、「また悪役だ」ではなく「待ってました」とワクワクするようになるはずですよ。
